
応力を構成する力この記事の要約
応力を求めるために部材を切断するとき、部材切断箇所の外側に仮定するのは「応力を構成する力」です。応力ではありま...
の続きです
例題
図1のような例題を考えます。
解法
反力を求める
図2に示すように、反力Hを右向きに仮定します。すると\( \Sigma X=0 \)より
\[ H+10=0 \]
\[ H=-10 \]
となり、Hにマイナス符号が付くから、最初に仮定した向きと逆向き(左向き)になります。
部材を仮に切断して、応力を構成する力を仮定する
部材を仮に切断し、図3のように応力を構成する力Nを右向きに仮定する。
力の釣り合い式から、応力を構成する力Nを求める
図3のように仮に切断した左側だけで力の釣り合い式をたてる。
\( \Sigma X=0 \)より、
\[ -10+N=0 \]
\[ \therefore N=10 \]
となり、応力を構成する力Nは符号がプラスなので、最初に仮定した向きと同じ向き。
対になる「応力を構成する力」を考える
図4のように、切断した部分の部材側に「対になる力」を破線で描けば、引張と考えることが出来る。
そして、大きさは10kN
部材の左端から、右端まで、どこで仮に切断しても図2~図4と同じように考えることが出来る。
だから、応力としては部材全体にわたって、引張10kNとなる。
建築構造力学では、引張応力をプラスの符号で表すので、記号だけで応力を表せば
+10kN
となる。
応力の符号の注意点
別記事で書きますが(こればっかり)、土や岩石などを扱う扱う学問では、圧縮をプラスとして扱います。
例えば建築分野だと、基礎や山留を扱う場合には、当たり前のように圧縮がプラスとして扱われています。