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応力を構成する力のモーメント
この記事では、「応力を構成する力のモーメント」について解説します。基本的な考え方は、「応力を構成する力」と同じです。
例題で説明
応力を構成する力のモーメントを次のような例題を使って説明します。図1のような例題だと梁が曲げられるので、せん断力と曲げモーメントが発生することが予想されます。
反力を求める
図1下側のように反力の向きを仮定して、力の釣り合い式をたてて応力の大きさと、向きを表す符号を求めます。

\(\Sigma X=0 \)より、
\[ H_A=0 \]
\( \Sigma Y=0 \)より、
\[ V_A-10+V_B=0 —(1) \]
\( \Sigma M_A=0 \)より、
\[ 10 \times 2 – V_B \times 5 =0 \]
\[ \therefore V_B=4 —(2) \]
(2)式を(1)式に代入して、
\[ V_A-10+4=0 \]
\[ \therefore V_A=6 \]
となり、VA、VB共にプラスの符号なので、仮定した向きと同じになります。
応力を構成する力、力のモーメントの向きを仮定する
図3下部のように、応力を求めるために、A点から距離x離れた位置で部材を仮に切断します。
「応力を構成する力」として、
水平方向左向きにHを仮定し、
鉛直方向上向きにQを仮定します。
また、「応力を構成する力のモーメント」として、
x点で反時計回りにMを仮定します。
部材を仮に切断した左側だけで、力の釣り合いが成り立たたなければいけません。
また、C点に荷重が作用しているので、A~C区間で一度考えます。
実は、C点は微妙な場所です。単純梁の解法の説明で少し説明します。
力の釣り合い式を立て、応力を構成する力、応力を構成する力のモーメントを求める

\(\Sigma X=0 \)より、
\[ N=0 \]
\( \Sigma Y=0 \)より、
\[ 6+Q=0 \]
\[ \therefore Q=-6 —(3)\]
\( \Sigma M_x=0 \)より、
\[ 6x – M =0 \]
\[ \therefore M=6 —(4) \]
軸方向力Nは0なので、これ以降省略します。
応力として考える
(3)式よりQはマイナスなので、仮定した向きと逆(つまり下向き)になります。
(4)式よりMはプラスなので仮定した向きと同じ(つまり反時計回り)になります。
その様子を図4に表します。
図5に示すように切断した部材側に、
Qと対になる「応力を構成する力」
と
Mと対になる「応力を構成する力のモーメント」
を破線で描きます。
すると、せん断力としては反時計回りに断ち切ろうとしているから、符号がプラスで6kN
曲げモーメントとしては、下側が引張られ、6xkNm 曲げモーメントはA点からの距離により変化することになります。
建築構造力学では、曲げモーメントには符号は付けません。部材のどちらがわが引張られるかを示します。
梁全体の応力を求めるときには、C~B間を同じように考えます。
今回は、応力を構成する力、応力を構成する力のモーメントの説明のため省略します。
ちなみに、B点側から同じ位置を考えても、応力としては同じになります。