反力・応力

荷重、外力、反力のモデル化

はじめに

建築物の自重や積載物、地震や風などの影響を力としてモデル化します。建築構造力学では、学問的には「静力学」と呼ばれる形式でモデル化します。
例えば、地震が建築物に及ぼす影響は時々刻々と変化しますが、建築構造力学では時間で変化しない一定の力として扱います。
具体的なモデル化は、建築基準関連法規に記載されています。
ただ、建築構造力学では、すでに自重、積載物、地震、風などの影響は何らかの力としてモデル化されています。

まとめ

支点に発生する反力は必ず覚えてください。理屈ではありません。建築構造力学の前提です。

  • 移動端 支点に垂直な反力が一つ発生
  • 回転端 支点に垂直な反力と、水平な二つの反力が発生。
  • 回転端 支点に垂直な反力と、水平な反力と、回転させないモーメント反力の三つの反力が発生

荷重

多くの建築構造力学の教科書では、モデル化された構造物に作用する何らかの力を「荷重」と呼んでいます。荷重には集中荷重と分布荷重の二つがあります。

集中荷重

一点だけに作用する力です。厳密な集中荷重は存在しませんが、何らかの方法でモデル化されると思ってください。
例えば、建築物に重量がある機器などを設置する場合には、その重量を集中荷重としてモデル化することが多いです。

物理的には、単なる力として扱えるので計算が楽になります。単位は力の単位N,kNなどです。

集中荷重集中荷重

集中荷重そのものは、ディラックのデルタ関数をシュワルツの超関数を適用した形でモデル化できます。荷重の数学モデルは試験には出ないのでそのうち記事にします。

分布荷重

何らかの広がりを持った荷重です。厳密には、すべての荷重は分布荷重になりますが、計算が面倒なので、集中荷重と分布荷重を分けて考えます。

物理的な扱いが面倒です。後述する反力を求める際は集中荷重に置き換えます。そのあたりは別記事に記載します。

分布荷重分布荷重

分布荷重そのものは、何らかの関数でモデル化できます。

等分布荷重

荷重が作用する範囲に一定の大きさで作用する分布荷重を特に、「等分布荷重」と呼びます。梁の自重などが等分布荷重としてモデル化されます。単位は、単位長さ当たりの力で表せれます。N/m,kN/mなどです。

等分布荷重等分布荷重

傾きのない直線としてモデル化できます。

等変分布荷重

荷重が作用する範囲で、一定の割合で直線的に変化する布荷重を特に、「等変分布荷重」と呼びます。スラブの自重がが梁に作用する場合などが等辺分布荷重としてモデル化されます。

等変分布荷重等変分布荷重

傾きのある直線としてモデル化できます。単位は、極大値のみ数値で表されます。図では、右側の部分だけが記号や数値で示されます。その単位はなぜか、当分荷重と同じでN/m,kN/mなどです。

モーメント荷重

部材の一点に力のモーメントが直接作用する荷重です。
計算して何かを確認したい構造物に付属している部分からの影響を考慮する場合などにモデル化されます。

モーメント荷重モーメント荷重

モーメント荷重そのものは、ディラックのデルタ関数をシュワルツの超関数を適用した形で微分することでモデル化できます。
単位は、力のモーメントの単位です。N・mなどです。

反力

建築構造力学では建築物に荷重が作用した際、建築物は地面から動かないことが前提です。もし、動いてしまったら建築物は壊れています。

モノが動かないということは、力が釣り合っていることです。

超重要!力のつり合いはじめに 構造力学では、「力のつり合い」と「力のモーメントのつり合い」から、反力や応力を求めます。とても大切な概念です。 文字と絵だ...

荷重を受けた建築物が動かないために、支点に荷重と釣り合う力が発生している(作用している)と考えます

これを「反力」と呼びます。反力は支点の形態で決まります。

反力反力

 

ここは必ず覚えてください。まれに、「反力が全く分からない」と質問してくるお客様がいますが、ここは覚えるしかありません。

信号が青になったらすすむ

と同じ人為的に決めたルールです。

移動端

支点に垂直な反力が発生すると決めています。部材に垂直ではありませんので注意してください。

移動端の反力

回転端

支点に水平と垂直な二つの力が発生すると決めています。視点を変えれば、任意の一方向に反力が発生すると考えられます。

回転端の反力

固定端

支点に水平、垂直な反力と回転しないためのモーメント反力が発生すると決めています。

固定端の反力

回転端と同じように考えれば、任意の一方向の反力と、モーメント反力が発生します。
モーメント反力は、本来ならば「反・力のモーメント」と呼ぶべきでしょうが、なぜか「反力」という形で「力」という文字でまとめられています。しかし、モーメント反力の単位は力のモーメントの単位N・mなどです。

外力

建築構造力学の教科書では、荷重と反力を合わせて外力と呼ぶことが多いようです。

しかし、建築基準法施行令第83条を参照すると

荷重:短時間で変換しないとみなせる力
外力:短時間で変化する力(地震、風など)

と判断できます。

試験を受ける際は、法規の問題と構造力学の問題で言葉が違う可能性があるので注意してください。

おわりに

支点に発生する反力は覚えるしかありません。理屈ではありません。

 

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